1. 東京サレジオ学園の養護の基本である「受容と傾聴、支持的なかかわり」の日々の実践、 日常性の重視(安心できる日々の保障)、アシステンツァ(共にいること)に努める。 また子どもの気持ち、声に出せない心の声に職員は耳を傾け、その解決に努力する。
計画として文章化するのはたやすいことだが、これを実行するとなるとそんなに簡単ではないし、 「安心できる日々の保障」はいろいろ課題を抱えた子どもたち同士がたくさんで生活するだけに、 如何に平穏な生活を確保するかが課題である。そのためには学園の処遇の柱となっている 「アシステンツァ(共にいること)」が何より重要で、職員は昼となく夜となく子どもと共にいる努力を続けた。 子どもたちの苦情の解決については子どもとの信頼関係構築が大切で、寝るときの添い寝やお風呂に一緒に入ったり、 病院への通院時の付き添いや外で一緒に遊ぶことによって子どもたちが心を打ち明ける状況を作ろうと努めた。

2. 子どもたちの成長の力を信じる。
子どもの問題を子どもだけの責任として終わらせず、事例検討などを通して職員側の取り組みの視点、姿勢を変える。 職員が変われば子どもも変わる。子どもは良くなる力を持っており、職員は子ども一人ひとりの成長を願いつつ、 子どもを諦めずに待つ姿勢を堅持する。

子どもの起こす問題と言うのは、多くの場合その子自身の問題性よりも周りにいる者との関係性の中で発生している。 したがってその子だけの問題ではない。また、子どもが育ってきた環境によって反応・対応が違ってくるので、 その子どもの本当の心を知るには私たち大人の側が視点、 姿勢を変える勇気が必要である。この意味でこの一年、職員は子どもたちの成長を信じ続けてきた。 これは決して無駄なことではない。何事にも最初から完璧な対応策というのはない。 もちろん全てを完全に統制すれば問題は起こらないかもしれない。しかしそれでは子どもたちのこの貴重な時期、 即ち「試行錯誤の時期」、自分が何者か、どんな人間なのかを探る時期を逃してしまうことになる。