このところ世の中がぎすぎすしているように感じる。歳のせいだろうか。アグレッシブな生き方を出来なくなってきたせいだろうか。人間生活のリズム・早さよりも、コンピューターの情報処理の速さが勝り、人間が振り回されているようだ。そしてそれに輪をかけたように、市場経済原理が幅をきかせている。経済的に割に合わなければ人間にとってどんなに良いものでも葬り去られてしまう。児童養護の分野にもその影響が現れているようだ。子育てというのは経済原理では測れないものだ。良くも悪くも投資が必要で、その結果はその投資に見合うものかどうかも測れない。人それぞれの幸福感というものにはそもそも基準がない。もちろん無駄は省かなければならないが、また無駄もなければ人間の幅が拡がらない。人間性豊かな人を目指すこと、これが目標でなければなんのための福祉だろう。競争原理、市場経済原理に毒された今の社会では、子育てへの提言が喧しいが、実際にその場で奮闘していない人たちに言われたくない気がする。子どもと共に、また子どもと共にいる人と共にいることが何より必要なのだ。
  今年度の目標の一つは、生活の中の具体的な取り組みに力を入れることであったが、充分には達成できなかったようだ。毎日の繰り返しなので倦まず弛まず続けていくことが肝要であろう。福祉サービス第三者評価では高い評価をいただいたが、いくつかの項目で子どもの評価が低くなったものがあったと指摘があった。子どもたちも年々代わっているので同じような評価を得るのは難しいとは思うが、ここは真摯に受け止めて改善向上に努めたい。
  もう一つの目標は、養護計画には明示しなかったが、中学生の通学校を上水中にも広げ、選択の幅を広げることであった。サレジオ中学との課題も解決し、小平市教育委員会との話し合いに臨んだ。子どもたちや職員たちの熱い後押しもあって、平成19年度からの小平市立上水中学への通学が認められた。一時は非常に難しい問題だと思われていたが、無事に解決してほっとしたと同時に、これからも子どもたちにがんばってもらいたいと思う。