今年はいつになく雨の多い夏の始まりでした。鳴くセミの数も少なく、蒸し暑さだけが目立つ立秋を迎えました。お盆を迎えるころから、普段の夏空が顔を見せはじめ、一斉にセミたちも短い夏を競うように鳴いています。
  平成20年度の事業報告をお届けいたします。皆さまからの温かいご声援を肌で感じながら、子どもたちとの日常をお伝えすべく努力してまいりました。マンネリに陥らないようにと工夫しながらも、子どもたちは意外と同じことの繰り返しの日常の中に安心をおぼえるものだと、教えられたりしています。安心していられることがずっと続くこと、それが子どもたちの心と体の癒しにつながるのでしょう。
  また子どもたちを取り巻く大人たちの世界が信頼できるものであること、これが子どもたちには大事です。今はこれが大きく崩れてしまっているのではないでしょうか。子どもたちは時に過激なことをいいますが、良く聴いてみると現在のことについても将来のことについても、とても堅実的な考えを持っているようです。不安が多いだけに、石橋をたたいても渡らないようなところもありますが、モデルとなる人がいれば、それに倣おうとします。大学を目指す子どもたちの中に、福祉の分野に進む子が多いのも、そんなところによるのかもしれません。親(職員)の姿が子どもに反映しているのでしょうか、うれしくもあり怖くもあります。
  今年の6月1日から「胡桃舎」がスタートいたしました。9つ目の園舎で、他施設で高校受験に失敗したり、何らかの理由で高校を中退したもののもう一度高校受験に再チャレンジする子どもたちを支援する事業です。まだ始まったばかりですが、子どもたちのチャレンジを見守り応援することも大人の大事な仕事です。15歳を過ぎた子どもたちを預かるのですから職員たちの力量も試されます。まだ試行錯誤の段階ですが、穏やかな日々の暮らしの中で、自分を見つめ将来への夢を大きく膨らませて巣立ってほしいと願っています。