平成23年3月11日の東日本大震災で被災された方々に謹んで哀悼の意を表します。
  平成22年度の事業報告をお届けします。梅雨空のつかの間の陽ざしに、アジサイの青紫色が彩り鮮やかに咲いています。この何年かのなかで気づくことは、大きなかたつむりが増えたこと、黄色く長いコウガイビルがやたらと出てきたこと、幼いころの記憶しかないムカデが身近に出てきたことなどです。危険な生物、気持ちの悪い生き物かもしれませんが、彼らにも命があり、しっかり生きようとしているのです。人間にとって、危険なもの、気持ちの悪いものというだけで私たちは悪者のように判断していますが、この世界の中で彼らは立派にその役割を果たしているのです。学園にはヤモリも多い。よく見るとかわいい。灰色の小さな体をくねくねと動かしながら、恥ずかしそうに足早に逃げていく。何事も、何物も、良く見ることが大切なのかもしれません。
  平成22年度も振り返ってよく見ると、上手くいったこと、上手くいかなかったことの中に、私たちは本当に一体何を願っていたのかを見ることができるのではないでしょうか。言いかえれば、私たちの願いの強さが本物であったかどうかが問われるのだと思います。人にかかわる問題の解決は多くの場合、その人のやる気、本気度にかかっているとよく言われています。聖書の中にも「一人二人が心を一つにして祈るなら、その祈りはかなえられる」とあります。自分の中に適当な限界を設定し、障害物をことさら大きく乗り越え困難にして、その前に立ちすくむ自分を描いてしまっているようです。サレジオの創立者聖ドン・ボスコは実に多くのことを成し遂げましたが、決して夢想家ではなく、現実に直面して一つひとつ解決を探していった現実的な人であったと言われています。もちろん、その裏には神への絶対的な信仰心がありました。だから勇気をもって進むことができたのだと思います。