1. 東京サレジオ学園の養護理念は「受容と傾聴」「支持的かかわり」である。これは職員がアッシステンツァ(寄り添う)の心で子どもの安心、安全な生活を作りあげていくことを求めている。職員は子どもたちのさまざまな表現の中から大切な願いに気づいて、子どもたちが受け入れられ大事にされている実感を持てるようにしたい。
子どもたちへのかかわり(受容と傾聴、支持的かかわり)が職員たちに浸透していっているのを実感している。思春期の子どもたち小学校5・6年から中学生、高校生を合わせると今年度は73名。全体(定員106名・地域小規模ホーム定員6名)の7割を占めた。この子たち一人ひとりが多感な時期を365日24時間、それぞれが安定した生活を送るに当たっては、担当職員たちの苦労は並大抵のものではない。その中でも子どもたちの小さな変化に気づき、丁寧に関わって働くことは子どもたちが大人への信頼を回復するのに大変重要である。今年度行なわれた「利用者に対する調査」では、「一人ひとりの子どもは大切にされているか」との問いかけに、42%の子どもが「はい」と答えている。より一層努力を続けたい。

2. 昨年度より学園は専門機能強化型児童養護施設となった。専門家の指導を仰ぎ、研修を積み、職員の倫理意識と処遇技術をより高めることによって、子どもたちとの関係を諦めることなく、よりふさわしい関わり方を探求し、適切に受け止め支えていきたい。
施設運営向上事業として職員が「愛着の器」になる処遇スキル向上のための藤岡先生の「愛着の再構築プログラム」の実施と、その中で示された諸データは職員の処遇実践を支え、自信と安心感につながり、またそれが子どもたちの安定につながっていることを裏付けている。「専門機能強化」とは、子どもたちを職員に合わせることではなく、職員が子どもたちのニーズに適切に応えていく方法を強化することだと思う。それにはまず子どもたちの見立てをしっかりすることであり、顧問精神科医の吉川先生とのケースカンファレンスと診断が大変役に立っている。そのほかに、子どもたちへの適切な支援ができるように多くの研修に職員を派遣した。