2011年度は実に変化の激しい、多難な一年であったように思う。前年度末の3.11の東日本大震災は物的にも精神的にも実に甚大な被害をもたらした。地震によって引き起こされた大津波は想像を絶する破壊力を見せつけ、多くの尊い人命が失われた。さらには東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故による予想もしなかった被害である。人智を結集して計算された(とされた)原子力発電所は、計算外つまり想定外の出来事にあまりにも無力であった。「想定」とは、自然の力を人間の力、強いて言えば科学的情報の範囲の中に押しとどめておくことを意味する。それ以外には起こり得ないと……。人間の力をあまりにも過信した、傲慢と言わざるを得ない。
  震災後は、計画停電、放射能汚染情報にふりまわされ、猛暑の中の節電に汗みずくになった。涼しい風が恋しい秋口に入って、猛烈な風を伴った台風に学園の庭の二本のポプラの木をはじめ、たくさんの樹木が倒されたり傷めつけられた。そして冬の寒いさなか、思いもかけぬ火災事故。余りの想定外の出来事の多さに、3.11の大震災すら遠い過去の出来事のように感じてしまう。