1.「受容と傾聴」「支持的かかわり」を実践する。
東京サレジオ学園の養護理念は「受容と傾聴」「支持的かかわり」である。職員がアッシステンツァ(寄り添う)の心で子どもの安心、安全な生活を作りあげていくことを求めている。職員は子どもたちのさまざまな表現の中から切実な願いに気づいて、子どもたちが受け入れられ、大事にされている実感をもてるようにしたい。 子どもたちとの関係作りに努力したが、その成果が十分に表れたとは言いがたく、この仕事の難しさが実感された1年であった。しかし、卒園していく子どもたちは、それぞれに職員への感謝を表している。試行錯誤する職員たちの思いは、確実に伝わっているのだと思う。

2.経営改善に一層取り組む。
これまで学園が行なってきた子どもたちへの支援の質を維持継続していくために、財務収支の均衡に努め、理事会、経営改善委員会とともにスタッフ会議を中心に経営改善に努める。
   固定経費の見直しや光熱水費、燃料費等使用量を明文化し抑制に努めたが値上がりの影響もあり、効果があがらなかった。しかし、職員間にはコスト感覚が育ってきており、財務収支の均衡まではあと少しのところまで来ていると思う。引き続き努力したい。

3. 防災の意識を高め安全管理に取り組む。
学園は112名の児童を擁している。この子どもたちが安全に安心して生活できるために消火訓練、避難訓練などの防火対策、大規模災害への防災対策等に積極的に取り組む。また、子どもたちがすくすくと健康に成長できるよう、食品衛生、健康衛生面の対策に力を入れる。
   安全衛生部会活動は大変良く機能した。多くの子どもたちが生活している学園ではあるが、食中毒になることもなく、またインフルエンザ等の流行にも適切に対応できた。防災訓練等も計画的に実施され、特に初期消火の訓練が浸透してきている。

4. 職員の支援力の向上を目指す。
近年、学園は重い課題を抱えた子どもたちを多く受け入れてきている。そこで学園は専門機能強化型児童養護施設として実施計画を定め、実施する。顧問精神科医による早めの検査治療対応を行なう。また、施設運営向上事業として、職員が「愛着の器」になるための処遇スキル向上をめざし「愛着再構築プログラム」研修を今年も引き続き実施する。その他に今まで築き上げてきた園舎の養育環境をより良くしていくために、臨床心理士等専門家による職員の個人およびグループスーパーヴィジョンを併せて実施していく。
   多くの課題を抱えている子どもたちが入所しているが、顧問精神科医や臨床心理の専門家などの協力と職員の日々の働きもあり、学園内での対応が可能となった。「愛着再構築プログラム」の継続的な研修で、処遇スキルは年々向上していると思う。また、スーパーヴィジョン体制も整備できており、職員が安心して働ける環境は整ってきている。

5. 園舎内での子どもたちの生活安定に心を砕く。
子どもたちは園舎内での生活が安定してはじめて、周囲との良好な関係や学習へのチャレンジや将来の夢を描くことが可能となる。したがって、寮長をはじめ園舎に配属された職員は相互の意思の疎通を図り、協力して子どもたちの内面の成長に寄り添い、子どもたちの自信とエネルギーが満ちてくるべく努める。
   家庭環境の不安定、内心の葛藤、落ち着きのなさ。そうした子どもたちを抱える園舎職員はさまざまに努力した。その解決のためには職員間の意思の疎通が第一であるが、職員配置の不十分さもあって十分な解決には至らなかった。
   さまざまな課題を抱えている子たちへの支援の方法をもう少し考えていかなければならない。

6. 子どもたちの生活の質の豊かさを目指す。
今も、そして将来も、子どもたちには温かな家庭が必要である。たしかな家庭像を植えつけていくためには、各園舎での生活が衣食住にわたり心温かで、充実したものであってほしい。そのため子どもたち一人ひとりに合った被服の状況、園舎調理を混じえたより良い食生活環境、子どもたちのために整えられた部屋、住環境(ハウスキーピングの実践)ができているか、日々振り返りながら家庭的な豊かな生活のあり方を求めていきたい。
   職員配置の不足もあって、園舎運営はきびしいものであった。また、新しい子どもの入所も続いて落ち着かない日々が続いた。子どもたちの安心安全な「家」のためには、より一層努力しなければならない。

7. 関係機関及び家庭との連携を強化する。
関係機関及び家庭との連携(ソーシャルワーク)は家庭と子どもの関係修復支援を目指す学園にとって重要な仕事である。家庭支援専門相談員や園舎寮長を中心に関係機関及び家庭との報告・連絡・相談を確実に行ない、連携を強化する。
  家庭環境調整のための支援や家庭復帰を前提とした関係者会議なども開かれた。児童福祉司ともども学校へ説明に行くこともあり、学校からの理解も進んだ。

8. 地域と共にある学園を目指す。
学園は地域の方々によって支えられて、その働きが社会化される。社会性を培う養護の観点からも、地域との交流は子どもたちの生活にとって大切である。個人情報の保護・管理に適切に配慮しながら、子どもたちが地域社会でのびのびと活動し、共に育み合うために、職員は地域社会との協力に努力する。
  また学園は地域支援の観点から近隣3市(小平市、国分寺市、東村山市)からの「ショートステイ事業」の要請を受け入れ実施する。また小平市の要請を受けて、災害時の広域避難場所として学園グラウンド使用の協定を結び、地域への貢献を果たす。
  地域活動にも積極的に参加した。また、ショートスティ事業も自治体からも信頼されるまでになり、確かな事業に成長した。来たるべき大規模災害がとり沙汰される中で、地域への貢献も必須となっていることを感じている。

9. 関係法令を遵守する。
学園は子どもたちの安心安全を守り、適切な養育がなされるように、児童福祉に関する法令および宣言・憲章・綱領等に掲げられた理念と定めを遵守する。 全体会議の場などで職員全体で読み上げ確認し、さらなる周知徹底と意識の向上を目指した。
 
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