創立70周年を迎えて
時の流れは早い。子どものころはとても長く感じていたのに、歳を重ねるにつれ月日がまたたく間に流れていく感がある。サレジオ学園もつい先ごろ50周年を迎えたと思っていたら、はや70周年を迎えることとなった。2016年10月23日に230名以上のお世話になった関係者、地域のかたがた、50名ほどの卒園生をお招きして記念式典を盛大に行なった。その時々、学園に関わられたかたがたが懸命に紡いでこられた歳月だった。深い感謝の念に堪えない。
  この70年の学園の歴史をつぶさに記憶し、説明できる人も少なくなってしまった。そのため、今回上梓した70周年記念誌にはずいぶん細かい記録を載せている。それを読むと実にたくさんのかたがたが、仕事というよりほとんどボランティアの姿勢で働いてくださってきたことがわかる。単に仕事と呼ぶには間尺に合わないご尽力をいただいてきた。
  時代によって子どもたちのおかれた状況は異なり、それぞれが抱える困難さも違ってはいるが、「親と離れて暮らさなければならない」という子どもたちの悲しみの大きさは今も少しも変わっていない。大人たちが安心して生きることさえも困難な時代になったとはいえ、なぜこれほどまでに子どもたちの受難が続くのだろう。悲しい事件が絶えない。ほんとうに悲しい。
  70周年を機に、地域の子育て支援を学園の事業の柱の一つとしたいと考えて、あらたにプロジェクトチームを立ち上げた。地域のかたがたのご理解ご支援あってこその学園である。子育て支援を強化することで、困難な中で悲しい思いをする子どもたちが一人でも少なくなることを切に願う。そのためには適切な人材が必要である。熱意あるかたがたの参画をこころよりお願いしたい。
  また、卒園した後の子どもたちの支援に、より力を注いでいきたいと考えている。子どもたちの多くは卒園後、大学や専門学校に進学する。しかし、十分な資金や支援がなく途中で挫折してしまう子どもも少なくない。学園ではこれまで20数年の間に95名ほどの子どもたちに資金援助を行なってきたが、今後さらなる支援が必要となってくる。幸いさまざまな支援団体のおかげで何とか続けられてはいるが、大学や専門学校卒業時には多額の返還金を背負い、子どもたちの社会生活は苦しいものとなっている。ぜひともみなさまの温かいご支援をお願いいたしたい。
  学園の春はサクラが咲き誇り次々と青葉が芽吹き、秋はイチョウの黄色い絨毯が敷きつめられカエデの紅葉が美しい。長い月日をへて学園の木々はうっそうと繁り、多くの小鳥たちのさえずるうっそうとした森になってきた。このような環境も東京では貴重な存在になりつつある。学園の森がこれからも子どもたちを見守ってくださいますように。ドン・ボスコを導かれた聖母マリア様が私たちをもまた導いてくださいますように。
 
▲ページ最上部へ