Ⅰ 法人本部の行なった2015年度の事業報告
1. 役員会(理事会)の実施
・4月14日 役員改選理事会(松永理事長再選)
・5月27日 2014年度の事業報告・決算承認理事会
・10月2日 中間理事会
・12月16日 中間理事会
・1月15日 職員採用試験・理事面接など
・2月18日 2016年度事業計画・当初予算等準備
・3月17日 植栽業者入札・2016年度事業計画・当初予算審議
計7回実施

2. 理事会の機能をより充実させ、社会的に責任のある理事会活動が行なわれるように資料作りを早めに行ない、各理事に送付した。

3. 2013年7月までの経営改善委員会の指摘ならびに東京都の指導に従い、資産の適切な管理・予算編成、予算執行の監視に努め、経常収支の黒字化を持続した結果、3月末に東京都の月次報告による指導が終了した。

4. 国及び東京都の社会的養護に関する施策について、施設の小規模化などに対応できるように、事業所内にある家庭的養護に関する検討チームで検討を続けた。5回開催。

5. 4月1日から新会計に移行し、会計事務所のサポートを得て新制度の習熟に努め、会計事務が遺漏なく行なえるようにした。今年度決算書からは新会計基準によっている。

6. 2016年度には学園創立70周年を迎えるため、その準備会を開いた。

7. 定員削減を予定したが、申請が遅かったので断念した。年度当初に申請できるよう、来年度に向けて今後の状況を検討した。

8. 2015年度の職員の配置基準が6:1(東京都は5.5:1)から4:1に変わった。職員採用に力を入れ、基準を満たすことができたが、子どもたちと現場職員の要望に十分には応えられなかった。来年度に向け早めに採用を決めたことで基準を満たしつつある。

9. 看護師の採用を予定したが、志望者側の事情もあり今回は見送った。

10. 施設における人権侵害についてのチェックは、第三者サービス評価の年度に当たっていたので、そちらでの調査に委任させていただいた。

年間養護目標とその評価
1.「受容と傾聴」「支持的かかわり」を実践する。
東京サレジオ学園の養護理念は「受容と傾聴」「支持的かかわり」である。これはサレジオの創始者である聖ドン・ボスコが私たちに求めた「アッシステンツァ(寄り添う)」の心で子どもたちの安心安全な暮らしを作り上げていくことを求めている。職員は子どもたちからのさまざまなサインの中から切実な願いを汲み取り、子どもたちが受け入れられ大事にされているという実感をもてるようにする。

  この理念は子どもたちの養育に活かされている。職員側の子どもたちへの関わりかたが、丁寧で穏やかになってきている。同時に子どもたち同士のやり取りも穏やかさを増している。職員が少ないという難点もありながら、かなり実行できたのではないかと考えている。

2.子どもたちの日常生活の安心安全に一層取り組む。
昨年度に幼児の転落事故が発生したことを踏まえ、日頃の子どもたちの安全により一層気をくばる。職員間の連携を強化し、危険箇所の改善に取り組む。また、防犯上、園外行動の際の安全指導を行ない、園舎の戸締り等も強化する。

   事故報告を出すような事例もあり、子どもたちの安心安全が万全であったとは言い難かった。職員が安心して仕事ができるよう職員の協力体制を密にする方策もとられた。小さな幼児も預かる施設ゆえ、子どもたちの安心安全の確保は最重要課題であると意識させられた1年であった。

3. 経営改善に一層取り組む。
子どもたちへの支援の質を維持向上させていくために、財務収支の均衡に努めた結果、一定の成果が得られたが、安定的な経営のためにはより一層の努力が必要である。引き続きスタッフ会議を中心に経営改善に取り組む。

   国の職員配置基準や措置費の改定、職員の処遇改善費などがあって収入が増えた。それにも増して効率的な経費削減に努めた結果、収支の黒字化が2年連続達成できた。

4. 防災の意識を高め、安全管理に取り組む。
大規模災害への備えが必至とされる今日、防災対策など安全対策に計画的に取り組む。インフラの定期的な点検、備蓄品の点検、消火訓練、避難訓練などに計画的に取り組む。

   年度途中で何度か井戸の揚水ポンプが故障したので、ポンプの改修、受水槽の修理塗装その他、水関係の改良に努めた。消火訓練・避難訓練は計画通り実施できた。三小地区の避難所運営準備会に参加し、地域のかたがたと連携した防災の協力意識が高まった。

5. 創立70周年のための準備を行なう。
1946年4月に創立された東京サレジオ学園は2016年度に創立70周年を迎えるため祝賀行事を予定している。また、これからの学園のあり方を考える第一段階として家庭的養護推進検討チームの活動を計画的に行なう。

   70周年行事に関しては記念誌の発行、記念行事を10月23日(日)に行なうことに決まった。家庭的養護推進検討チームは年5回ほど会合を開いた。

6. 子どもたちの学習支援を推進する。
登校を困難にしている要因として、学習の遅れがあげられる。遅れの原因はそれぞれであるが、遅れが学校を遠い存在にしてしまっている。昨年度からは学習支援ボランティアの手を借りて、子どもたちの要望に応えるように努めてきている。また、中学生を中心に塾の利用も定着し、一定の効果が見られている。学園全体の意識として「学習支援を推進する」ことを今年度の目標として、子どもたちの学校生活を支えたい。

   今年度も引き続き学習支援ボランティアのかたがたに大変お世話になった。また中学校のスクールソーシャルワーカーのかたにもお世話になり、不登校状態が改善され、高校進学もほとんどの子どもたちが希望する学校に進学できた。今年度は専門学校に2名進学し、就職者は1名であった。また高校生2名がラオスへ健康診断ボランティアとして参加させていただき、貴重な体験となった。

7. 園舎での生活が家庭らしい暮らしになるように工夫する。
子どもたちにとって園舎は家庭である。子どもたち一人ひとりが家で生活している実感(家の一員として受け止めてもらえている実感)をもてるように配慮する。施設としての園舎の効率的運営のためではなく、子どもたち一人ひとりが温かな家庭像を身につけていくために、子どもたちに合った被服を用意できているか、園舎調理を行ないながら、よりよい食生活環境が整えられているか、子どもたちのために心を込めてしつらえられた部屋、建物、植栽などの住環境になっているか(ハウスキーピングの実践)、日々振り返りながら家庭的で豊かな生活が送れるように工夫する。

   今年度は複数の寮長の異動があり、心身共に落ち着いて舎を守っていく状況を維持することは難しかった。 また、職員の十分な配置ができず勤務状況は苦しかった。そうした中でも少しずつ園舎としての落ち着きができ、夏のキャンプや冬のスキーなどで「家」としての雰囲気ができていった。食生活に関しては、おやつなどに関して課題もあったが、他施設での田植えや稲刈り、地域のイモ畑の草取り、収穫の手伝い、また学園の空き地に野菜畑を作って、収穫し食卓に載せるなどの工夫がなされ、土になじむ経験が増えた。

8. 関係機関及び家庭との連携を強化する。
関係機関及び家庭との連携(ソーシャルワーク)は家庭と子どもたちの関係修復支援を目指す学園にとって重要な仕事である。家庭支援専門相談員や園舎寮長を中心に関係機関及び家庭との報告・連絡・相談を確実に行ない、連携を強化する。

   児童相談所との協力関係が進んだ。入所や進学時のケース会議などに福祉司や心理士が同席するようにできた。普段の電話連絡なども頻繁になされた。

9. 地域と共にある学園を目指す。
学園は地域のかたがたに働きかけ、支えられることによってその働きが社会化される。子どもたちの社会性を培う観点からも、地域との交流は子どもたちの生活にとって重要である。個人情報の保護・管理に適切に配慮しながら、子どもたちが地域社会でのびのびと活動し共に育ちあうために、職員は地域社会との協力に努める。また、学園は地域支援の観点から近隣三市(小平市・国分寺市・東村山市)からのショートスティ事業の要請を受け入れ実施する。また、小平市の要請を受け入れ、学園グラウンドを災害時の広域避難場所として提供する。(2013年4月1日協定済み)

   夏の子ども会の行事への参加のほかに、青少対の行事には子どもたちも職員も積極的に参加し、地域のかたがたとの交流に努めた。ショートスティ事業は職員配置の関係で苦労したが、子育てに不安のあるご家庭などの情報を各子ども家庭センターに相談するなどの協力ができた。

10. 関係法令を遵守する。
学園は子どもたちの安心安全を守り、適切な養育がなされるように、児童福祉に関する法令及び宣言・憲章・綱領等に掲げられた理念、規定を遵守する。

   今年度は東京都の権利擁護担当者が来園して、子どもたちに直接説明したり、話を聞いてくださるなどしていただいた。また、苦情解決第三者委員のかたもお越しいただき、職員や子どもたちの話を聞いてくださったことで、子どもたちの権利擁護の意識が高まった。

1. 前掲の養護計画に従い、以下のように実施の計画を定める。
⑴ 学園の養護計画(前掲)を念頭に置き、園舎ごとに処遇実践の計画を実施する。
① 特に、課題を抱えた子どもたちの支援にきめ細やかな配慮を行ない、子どもたち一人ひとりが愛され大切にされているという実感をもてるように、個別に関わる努力をする。
スタッフ会議、全体職員会議で取り上げ、各園舎の援助方針に従って実践した。
② 自立支援計画書を適切にまとめ、それに従った育成記録の記述になるように工夫努力する。
自立支援計画書の書式の改定を行なった。

⑵ 子どもたちの日常の安心安全により一層取り組む。
① 子どもたちからの苦情申し立てには迅速に対応し、苦情解決委員会をひらき、解決を図り、結果を回答、苦情解決第三者委員にも報告する。
スタッフ会議開催日に、苦情解決委員会を開催し苦情の解決を図った。第三者委員にも連絡し了解を得た。
② 事務室脇の壁に意見箱を設置し、苦情解決に役立てる。
直接申し出てくれることが多いため、それほど多くの利用はなかった。
③ 苦情解決第三者委員として次の方に委嘱し、外部からの目を導入する。
    相川裕氏  弁護士
    西原雄次郎氏  ルーテル学院大学社会福祉学科教授
学期ごとにスタッフ会議に出席していただく。
日程が合わず、スタッフ会議への参加はかなわなかったが、別の機会に来ていただき子どもたちや職員と話し合う場をもった。
④ 園舎処遇をより良くするためにスーパーバイザーによる園舎ごとのスーパービジョンを行なう。
加藤尚子先生に定期的に来園いただき、園舎会議や個人のスーパーバイズをしていただき、職員たちを支えていただいた。
⑤ ヒヤリ・ハットを利用して、子どもたちの安全管理の意識を高める。学期ごとに集計し、傾向を調査し、安全管理意識に役立てる。
リスクマネージャーが指揮をとって職員にヒヤリ・ハットを提出してもらい、定期的に安全管理意識を高めていった。
⑥ 幼児を一人にしておかず、常に目の届く距離で見守る。
幼児が一人にならないように、全員で気をつけあって、安全安心に努めた。

⑶ 経営改善に一層取り組む
① 経常収支改善を軌道に乗せる。
2年連続収支が黒字になった。
② 経常収支の均衡を2014年度にひきつづき継続させる。
達成できた。これからも努力したい。
③ 理事長・園長への月次報告の提出期限を守る。その前提となる各舎小口現金報告の毎月5日提出を徹底する。
達成できた。
④ スタッフ会議において月次報告を基に、予算の執行管理を行なう。
実施できた。
⑤ 運営実態に即した予算となるよう積算を厳密に行ない、コスト感覚をもって予算を執行する。
実施できた。
⑥ 経理規定を遵守する。特に契約についての事項を遵守する。 人件費の増加を抑える。2015年度より職員の配置基準が大幅に変わる予定であるが、先を見据えた職員採用となるように努める。
中途採用に努めたが、十分な手当てができなかった。その分、次年度の職員採用に力を注いだ。
⑦ 食費の適切な抑制に努める。昨年度同様に子どもの食費単価を1日1000円以下に抑える。
前半に予算を越えてしまったので、後半は引き締めた管理を努めた。
⑧ 節水を心がけ、適切な使用に努める。学園プールの使用を中止する。
実施できた。
⑨ 電気代の削減に努める。夏季の冷房チラー、コタツ、暖房機の使用を適切に行なう。
実施できた。
⑩ 電気のデマンド管理を徹底する。最大需要電力を下げ、電気代の基本料金を下げる努力をする。現在は139kw∕h。
夏場のチラー運転開始日に各園舎が一斉に運用したために、最大需要電力が144kw/hになってしまった。来年度には気をつける必要がある。そのほかの時期の使用量は落ち着いていた。
⑪ 電灯のLED化を促進し、電気代を削減する。
合歓舎をLED化した。
⑫ 業務委託費の削減に努める。
達成できた。
⑬ 修繕費を抑える努力を行ない、設備機器の修理についてはメンテナンスの実施状況を調べ計画的に行なう。
エアコンなどは旧型のものが多かったので、補助金を活用して改修した。井戸ポンプ、受水槽なども改修し、断水などの不安を取り除いた。子どもたちの使う場所の補修にも力を入れた。
⑭ 寄附物品(特に食料品、日用品)を増やす努力をするが、同時に、配布方法については子どもたちの気持ちに特に配慮する。
実施した。

⑷ 防災の意識を高め、安全管理に取り組む。
① 大規模地震災害に備え、防災、防火、衛生管理などの計画・マニュアルを策定し実施する。
実施した。今後も定期点検、見直しを行ないたい。
② 必要な備品を購入する。
実施した。

⑸ 創立70周年の準備を行なう
① 祝賀行事の準備を始める。事業費に過度に負担にならない日程、規模、記念誌などを考える。
実施した。平成28年10月23日に記念行事を行なうことになった。
② 建物改修などの計画・実施を行なう。
小聖堂の改修を行なうことになった。
③ 小規模ケア・家庭的養護などの学園の将来構想のための推進検討チームの会合を計画的に行なう。
年5回ほどの会合を行なった。東京都育成支援課にも相談に行った。

⑹ 子どもたちの学習支援を推進する。
① 学校との協議を重ね、子どもたちの登校支援の効果をあげる。
三小、上水中との協議会をひらいた。
② 学習支援ボランティアの協力を得て、遅れている科目などの習得を促す。
3keysさんその他の学習ボランティアのかたがたの協力を得て、子どもたちの学習意欲が増した。
③ 中学生の塾の利用に続き、高校生の塾の利用も一部で認められたので、高校生の学習に対する支援を強化する。具体的には大学進学等を希望する子に塾の利用を勧め、進学をサポートする。 実施した。
④ 学園全体で学校生活の楽しさ大事さを共通の意識とし、学校とも協力して学校生活、学習生活を支援する。
学園全体として、学習、進学に対する意識は高まった。

⑺ 園舎での生活が家庭らしい暮らしになるように工夫する。
① 園舎として温かな雰囲気を子どもたち作り上げる。具体的には穏やかな声かけ、表情で子どもに接する。
各園舎で努力した。
② 失敗の多い子ほど多くの良い点を見つけて褒める。
各園舎で努力した。
③ 子どもが将来の自分のより良い家庭像を育んでいくためには、職員のコミュニケーション能力、家事能力が大きく影響する。そうしたことを念頭に、職員は責任をもって日々行動する。
各職員が努力した。
④ 子どもの被服のセンス、住まい方のセンスがより良いものになるように、その子どもに合った細やかな配慮を行なう。
各園舎にて努力した。
⑤ 園舎調理の実践において、食事作りは家庭生活の中心的要素であることを再認識し、楽しい調理、おいしい食事、和やかな食卓作りに励む。
畑を耕して野菜を育てるところから始め、田植え、草取り、収穫などを実施し、食べ物への意識を新たにすることができた。また調理、食事・おやつにおいても心をくばった。
⑥ 園舎の備品は子どもの生活センスにも影響するものなので、購入・設置にあたっては学園の許可を得る。
実行した。

⑻ 関係機関及び家庭との連携を強化する。
① 子どもの入所に当たっては担当福祉司と協力して学校への対応(情報提供など)を細やかに行ない、受け入れがスムーズになされるように配慮する。
入所の際は担当児童福祉司、心理士に同席してもらい、学校との連携が進んだ。また、入進学にあたり学校側との協議に担当児童福祉司、心理士に同席いただき必要な情報を提供できた。
② 家庭復帰の可能性が高い案件に関しては担当福祉司と意見のすり合わせを十分に行ない、復帰先の見守り機関とも調整していく。
家庭支援専門相談員と共に、相手先の学校などとの受け入れ協議を行なった。
③ 保護者との関係に課題を抱える子どもについては園舎だけで対応せず、必ず家庭支援専門相談員の協力を得て複数で対応する。
実施した。
④ 子どもの進路、退園などの決定については、園長の最終判断を仰ぐ。
実施した。

⑼ 地域と共にある学園を目指す。
① 地域との対応にあたっては子どもたちの個人情報の管理に留意する。
各部署において配慮した。マイナンバーについても適切に対応した。
② 地域の活動には、できる限り参加し役割を果たす。(コミュニティスクール会議、PTA役員、三小ちゃんみまもり隊、三小地区青少対、小平市要保護児童対策協議会など) それぞれ役割を果たすことができた。
③ ショートステイ事業をより充実させ安全管理を図るために専属の職員配置を行なう(常勤2名配置)。
職員不足のため、十分な配置ができず、担当外の職員支援もあった。
④ 小平市からの要請を受け入れ、学園グラウンドを災害時の広域避難場所として提供する(平成25年4月協定済み)。
実施した。
⑤ 地域クラブへのグラウンド貸出し。(サレジオ小中学校、サッカー、野球クラブなど)
実施した。
⑥ 近隣からの苦情には迅速に対応する。
誠実に対応した。

⑽ 関係法令を遵守する。
年度初めに子どもの福祉に関する宣言・憲章・綱領等を全体会議で読み合わせ、意識を統一する。
実施した。

1.その他の計画
⑴会議、園内研修は次のように行なう。
① スタッフ会議を月3回行ない、火曜日10時からとする。
② 全体会議は月1回開催し火曜日13時からとする。
③ 園内研修は毎月行ない、火曜日13時からとする。
いずれも予定通りに実施できた。
⑵ 各部会の内、安全衛生部会、食事部会は毎月開催し、その他の部会は必要に応じて適宜開催し、それぞれ会議録を提出する。
実施できた。引き続き努力したい。
 
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