1.援助方針
子どもたち一人ひとりが安心感を得られる園舎づくり。現在の生活だけではなく、自身の過去や未来に対しても、一貫した安心感を得られる園舎作りを目指したい。

2. 現在の安心感づくり、知性や感性(=情操)を育む
ここ数年、楡の舎の子どもたちの支援のなかで、知性や感性がどの時期にどのように養われていき、どのような形で個々の子どもたちの生活に表れていくのか実感できるようになった。
  情操を養うことは、すなわち、生きる力を身につけることである。生きる力を身につけた子どもたちは、この先のさまざまな環境のなかで、自らの力で社会を生き抜いていける。時代の変化と共に、今の子どもたちの生きていく環境は多様化してきており、そもそも情操教育という概念自体が揺らいでいるようにも感じる。ただ言えることは、私たちは人間であり、生き物である。ロボットのように人工知能の機械ではない。知性や感性という、生まれ持った能力を最大限に活かしていくことが「生きる」ということなのである。楡の舎では日常生活のなかで、物事を知り・考え・判断する力を自然と養える環境が整えられていると思う。楡の舎が長年大事にしてきたものが少しずつ成果として表れてきている。園舎の枠を越えて情報を共有し、学園全体が良い方向へ向かうように働きかけてきたい。

3. 過去への安心感づくり、関係機関との連携
今年度のケースワークの情報共有については、昨年度の試験的な変革期に比べ、あまり積極的に運営できなかった。学園FSWや学園心理への定期的な報告や、園舎独自の支援計画ファイルについても昨年度と同じやり方では共有が難しくなり、寮会議での確認のみとした。ただ、寮会議は常勤職だけの参加であり、園舎の職員全体での共有や検討まではいけなかった。常に職員全員で検討をするような場を設けるのは現実的に難しいが、それぞれの意見や考えを出しやすく、また反映できるようなシステムや雰囲気を作ることを大切にしていきたい。

4. 未来への安心感づくり、基礎学力の習得・向上
学習支援については、園舎において可能な支援として、とても質の高いものができていると感じる。12人の子どもたち一人ひとりに合った学習支援をしようとすると限界があるのも現実である。日常業務をしながらの学習支援の、更に上を目指した学習サポートをするのは厳しい状況といえる。学習の基礎は、できるだけ早い時期から身につけさせたい。特に学園のような集団生活内での学習形態では、早期からの学習支援に不足が生じやすく、結果として不登校や学習の遅れに繋がっていると感じる。学習ボランティアの活用や習い事を通して、子どもたちの将来のための質の高い学習支援を展開していきたい。

5. 職員の育成
職員のスキルアップ、キャリアアップについては、実際には職員一人ひとりの目指すべき道や、求められている知識や技術が曖昧であり、職員が自発的にスキルやキャリアを磨きたいと思えるようになる雰囲気が形成されていないと感じる。自分自身、早い段階で寮長という立場になったものの、この先の目指すべき道や求められている道が不明瞭であり、学園に有効なスキルを十分に磨けていないのが現状である。その結果、園舎の職員に対しても有効なスキルアップを提示できず、職員の意欲の低下に繋がったと感じる。
  来年度、学園がキャリアアップや職員のスキルアップについてあらたに取り組み始めるので、本舎もその流れに乗れるようにしたい。昨年度や今年度は2番手3番手の職員に対して必要な育成やスキルアップ・キャリアアップの提示ができていなかった。それぞれの立場や経験年数を踏まえたうえで、学園という大きな組織の中でお互いに良い循環を生み育成し合えるようにしていきたい。働くことをどう捉えるかは人それぞれであり、さまざまな形があっていいと思う。その人がその人らしく働ける職場を今後も大切にしていきたい。

 
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