社会福祉法人東京サレジオ学園  理事長  村上康助様

処遇監査報告
2002年度もまた様々な出来事がありましたが、子どもたちへのサービス提供の実情について、以下の通り報告します。

1. 幼児期から思春期ただ中の男の子たちが、しかも親からの虐待という被害を受けた多くの子どもたちが、学園に保護されて大勢で一緒に暮らすという状況は、それだけで想像を遥かに越える「大変な状況」にあることが予想されます。一人一人の子どもたちが、個々の職員に「こっちを向いてよ」と叫び続け、個別対応を切望しているように思われます。受容と傾聴という理念を柱に据えた学園の支援活動の実践は、基本的に間違っていないと思われます。

2. ただ、これを実践し続けるには、職員配置基準があまりにも貧弱です。子どもたちのニーズは一層深刻度を増しているにもかかわらず、職員配置基準はここ40年ほど改善されていないと聞いています。法人独自の努力によって職員の加配が行われていますが、個別のニーズにきちんと応対するには余りにも少な過ぎます。忠実に働こうとする職員は疲れ切っているように私には思われます。

3. この状況に加えて、地域の学校の指導者が替わるたびに児童養護の基本は何かを一から解ってもらう努力を施設職員がしなければならない状況も、第三者として見ると異常としか言えません。日々努力を重ねて築きあげてきた実践の全てを否定するかのごとき一部教育関係者の無知に基づく言動は、現場の職員の気持ちを萎えさせ、意欲を根底から削ぐものです。
  これらは、法人の努力だけでなく、大きくは関係官署の責任と言えるのではないかと思います。